在日ベトナム人介護福祉士の活躍〜弛まぬ努力、結果に〜

日本の厚生労働省によると、経済連携協定(EPA)に基づく外国人介護福祉士受け入れ候補者の中で、第三十回介護福祉士国家試験を受験したベトナム人の数は95人、そのうち89人(全体の93,7%)が試験に合格した。この割合は外国人受験者の中では最も高く、インドネシアは38,5%、フィリピンは37,8%の合格率であった。割合のみで言えば、日本のそれ(79,8%)よりも高い。これは同時に、受験資格を得るため、日本国内で三年間の実務経験を積んだベトナムの介護福祉士が、外国人候補者として初めて日本の国家試験を受けた結果でもある。

今回の受験者の一人であるバクザン省出身のドアン タイン フエンさんは、EPAに基づく日越介護福祉士受け入れ制度を使って日本にやってきた。現在は埼玉県にある老人ホームに勤務している。今年の国家試験の合格基準点は125点満点中77点。日本人でさえも基準点に達せなかった受験者が多い中、フエンさんは今回の試験を125点満点中96点で合格を果たした。この結果は、フエンさんが介護福祉士として日本で働くと決めた時から現在まで、弛まぬ努力を重ねてきたことを物語っている。


日本にやってくる前、フエンさんは日本から派遣された日本語教師から一年間の日本語研修を受けた。日本で働く条件として、語学研修のあとの日本語検定試験でN3(日本語検定三級)の資格を取得しなければならない。そんな中フエンさんは、日頃の努力と強い決意によって、N3の資格を研修開始からわずか7か月後に取得した。

日本に渡った後、フエンさんは老人ホームで働きながら、更にレベルの高い資格をとるために独学で日本語を学んだ。同時に、フエンさんが働く老人ホームからの助け(研修や日本語学習など)や、日本政府が行っている介護福祉士の国家試験対策を支援する様々な制度を利用し、介護福祉士の国家資格のための勉強をこなした。

日本の介護福祉士の業務で使われる専門用語は、日本人でさえも理解し辛く、覚えづらいことで知られている。そこで業界の責任者たちが専門用語を「より言い易く・使い易く」または「外国人候補者にとって分かり易く」編集したという経緯もある。 国家試験に合格したことを知ったとき、フエンさんは喜びを隠すことができなかったという。日本といえば「桜の国」とよく例えられる…というぐらいしか知識のなかったフエンさん。数々の困難を経験し、それらを乗り越え、「日本で働く」と決意したときの目標を達成できた自分自身を、誇らしく思えたそうだ。  フエンさんは「老人ホームの利用者の方々の心遣いが本当に有難かった。ホームに住む方の一人(ことばの障がいを持つ方)が、私が受験することを知っていて、ずっと『おめでとう』と練習しいて、私が国家試験に合格したことを知ったとき、ハッキリと私に『おめでとう』と言ってくださった。私はそれを聞いて、言葉に詰まるほど感動し、涙を流した」と話す。


今後の高齢者介護に関する日本の国家資格取得のために、フエンさんは専門用語を教える日本語研修と専門技術の研修の両方が受けられる制度の設立を計画している。これは高齢者介護福祉の人的確保の役割を担い、将来の日本、ベトナム両国の高齢者介護分野での関係を促進することに繋がるだろう。

フエンさんの夢の早期実現とより一層の社会貢献を、心から願うばかりである。

翻訳: 寺田雄介

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